クラウド会計ソフトで経理業務を最適化!農福連携の夢へ向かうぶどう農家

2011年3月、日本を襲った東日本大震災。その時みうらやファーム代表の三浦誠さんは、被害の大きかった岩手県釜石市の水産加工会社で働いていました。

多くの日本人が「価値観や人生が変わった」と語る震災。三浦さんもまた、自分に問いかけていました。

「本当は何がしたいのか?」「どう生きたいのか?」、と。

三浦さんが出した答えは、農家として生産現場に立つことでした。

未経験から就農し、手探りの中で始めたぶどうの生産。その中で三浦さんは、生産に労力をかけ美味しいぶどうを作るため、クラウド会計ソフトfreeeを導入します。

今回、できる.agriでは三浦さんが農家を志した理由やITツール導入のきっかけ、そしてこれから目指す理想の農業についてお伺いしました。

 

未経験からぶどう農家に!

 

ー東日本大震災をきっかけに、農家になられたんですね。

はい、もともと岩手県釜石市にある水産加工会社で働いていたんです。被災したことがきっかけで、現在住む山梨県甲州市に移り住みました。

ーどうして農業を始めようと思われたのでしょうか。

再就職も考えたのですが、かねてより生産することに興味がありました。40歳を迎える年でしたので、きっとこれが最後の仕事になる。そう考え、自分自身を見つめ直した時に、農業をやろうという答えが自ずと出ました。

ー未経験から農家になるってすごく勇気のいることですね。

何も知らないので、インターネットで情報収集するところからはじめました(笑)。偶然、農業インターンシップの制度を見つけて。農業に適性があるかもわかりませんから、まずは体験しようとエントリーした農家が、たまたま山梨県勝沼にあるぶどう農家でした。

そこで2年間、研修生としてぶどうづくりを学び、3年目の春に独立しました。タイミング良く貸していただける農地も見つかり、独立自体はスムーズでしたね。

ー生産・販売に加え、農家民宿もされていますよね。

研修時は市営住宅で暮らしていましたが、ぶどうの出荷作業をためにある程度の大きなのスペースが必要です。そこで独立時に、現在住む家を購入しました。でも夫婦と子ども1人で暮らすには部屋数が多いので…。せっかくなら農家民宿をやってみようと、許可をとりました。

ー1年間でどれくらいの利用がありますか?

年間100名ほどの利用者はほとんど農業ボランティアですがその他にも10組ほどは民宿として来てくださっています、宣伝周知をしていけば、この辺りは宿泊施設が少ないので、需要はあると思います。

宿泊のお客様に食事の際、皿盛りのぶどうをサービスするなど、気軽に農家の暮らしや仕事に触れてもらえるよう工夫しています。

 

クラウド会計ソフト導入で、パソコン作業が激減

 

 

ー現在は会計ソフトfreeeを使って業務を効率化されています。どのように知ったのですか?

会計士の知人がいて、その方から教えてもらいました。彼女は起業支援もしていて、2017年に会計セミナーに参加したところfreeeを紹介されました。

ーそうなんですね。

以前は別の会計ソフトを利用していました。しかし利用するにあたり更新料もかからず、オンライン上で銀行やECショップとの同期ができると聞き、freeeに惹かれました。

ぶどう専業農家ですから、1年の中で忙しい時期が決まっています。

繁忙期は3月後半から7月上旬。この間は、日々の買い物に行くことすらままならず、休む暇がありません。そして8月中旬から9月末までは出荷時期となり、再び繁忙期に入ります。

農協への出荷に加え、個人への直販もしているので、入金・発送管理にけっこうな時間がかかります。しかし繁忙期は、生産・発送などの作業もあるので、銀行へ記帳に行くのも、パソコンに向かう時間を取るのも一苦労でした。

freeeにしてからはワンクリックで会計仕分けができるので、パソコンに向かう時間が格段に減りましたね。

ーワンクリックで作業が終わるのは、とても助かりますね。

特に運営しているECショップで注文を受けた場合、請求・代金回収という一連の流れを管理することが手間でした。しかしfreeeは、名前と金額がきちんとあっていれば、簡単に全部紐付けできるので、回収漏れもありません。

銀行の口座残高も入金状況も、ネットバンキングとデータを同期すれば、freeeのトップページを見るだけで必要な情報を一目で把握することができます。そうした細かい作業が積み重なって、今までは事務作業に時間を取られていたので助かっています。

ーfreeeを薦めてくれた会計士の反応はいかがですか?

今まではパソコンに帳簿がありましたので、帳簿チェックの際は会計士にわざわざ出向いてもらっていました。しかしfreeeはクラウド上にデータを保存していますから、複数人で管理できるように設定するとどこからでも帳簿を見ることができます。来てもらう手間も省けますし、こまめにデータを確認していただけるので、仕訳けミスも減りました。

ー導入で苦労した点はありましたか?

ネットバンキングの口座を開設したり、ECショップのデータを同期したり、利用するにあたっての準備は、慣れないことなので大変でした。しかしそれさえクリアしてしまえば、全てのデータがfreeeに集束されるので、最初だけ頑張って欲しいですね(笑)。

※三浦さんが導入している会計ソフト「freee」についてはこちらから詳しく知ることができます。

 

農福連携で、障がい者が個性を活かして働ける場に

 

 

ー会計は商売をしている人にとって欠かすことができません。これから独立する方はもちろん今後IT化を進める農家も、freeeは導入しやすそうです。

そうですね。freeeを導入する一番のメリットは、事務作業に費やす時間を減らし、生産・販売に力を入れられることです。はじめは慣れない機能で戸惑うかもしれませんが、使い込んでいくうちにだんだんと馴染んできます。それに伴いパソコンに向かう時間もぐんと減るので、ぜひ導入して本来やるべき生産に力を注いでほしいです。

ー2013年4月に独立され、6年目になりました。これから実現していきたいことはありますか?

最終的な目標は、農福連携を通して障がい者が自立して生きていける場をつくることです。みんなが幸せに暮らせる世界をつくれたらなって。

僕の娘は障がい児です。娘の病院や施設に付き合って、様々な障がい者に出会ってきました。彼らはいくつものことを同時にこなすことは苦手ですが、一つのことに熱心に取り組める人が多いと感じています。草むしりが得意な人、梱包が得意な人、色々な特性があります。一人ひとりに合う仕事を提供することができれば、農作業の効率も上がるし、クオリティも上がると考えています。

ー多様な仕事を用意することで、働ける人は増えそうです。

農家民宿なら清掃、ベットメイキング、食事の準備などの仕事もあります。お客さんが増えれば、施設自体を大きくでき、その分仕事も用意できます。

ー農業や民宿の仕事を通じて、色々な道を見つけてもらえるといいですね。

何が自分に向いているかは、やってみないとわかりません。農業には「食」「加工」「販売」「宿」など様々な切り口があります。雇用だけにとらわれず、うちで様々なことを学んでもらって、未来を照らすきっかけになるような経験をしてもらえたら。

うちで雇用するのはもちろん、研修で生産や販売を学んだ人が、他の農家さんのところへ行き活躍する、そんな仕組みをつくりマッチングしていけたらいいですね。

いずれ娘はひとりで生活しないといけない日がきます。その時、どうやって食べていくのか?僕が仕組みづくりをしておけば、助けになるんじゃないかと思っています。

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