「新規就農者が質問しやすいコミュニティ作り」LINE WORKSとNCXXファームが生み出す相乗効果

画像:左から、ワークスモバイルジャパン株式会社の廣瀬信行さんと、株式会社ネクスグループの山川孝典さん

 

2019年9月9日、仕事用のLINE「LINE WORKS」と、農業ICTシステム「NCXXファーム(ネクスファーム)」が連携することを発表しました。この2つのサービスの連携により、LINE WORKS上で圃場(ほじょう)のデータを見ることができるようになります。

できる.agriは、「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパン株式会社の廣瀬信行さんと、「NCXXファーム」を提供する株式会社ネクスグループの山川孝典さんに取材。今回の提携についてインタビューしました。

それぞれの新規事業に取り組むなかで、農業の世界にITを広めるために尽力している2人。提携と、その先にある農業の未来について伺いました。

 

 

「チャット×ハウスの管理システム」で何ができるの?

「LINE WORKS」とは?

ビジネスで使える「LINE WORKS」。チャットのほか、予定やファイルも仕事仲間と共有できる

仕事仲間と使えるLINE。チャット機能に加え、無料通話、予定表、ファイル共有、ログ管理など仕事に必要なすべての機能を1つのアプリで網羅。すべての機能をスマートフォンだけでストレスなく利用できるよう設計されています。LINEを使ったことがあれば簡単に使える、はじめて仕事でチャットを利用したい方に最適なツールです。

https://line.worksmobile.com/jp/

 

「NCXXファーム」とは?

農業用ハウスの複数の環境制御ツール(遮光・保温カーテン、ミスト発生装置、灌水システムなど)と連動し、ハウス環境、農作業状況の見える化を実現する農業ICTシステム。ハウス環境を数値的に把握することで、熟練者の勘や経験に頼ることなく農業を始めることを可能にしています。

https://farm.ncxx.co.jp/

 

「LINE WORKS」と「NCXXファーム」の連携で、何が変わるのか

「LINE WORKS」と「NCXXファーム」の連携で、「NCXXファーム」上でリアルタイムに変動する圃場の状況を、「LINE WORKS」を使って把握することが可能になりました。

「NCXXファーム」が異常を検知したときには、「LINE WORKS」でアラートを通知。LINEの画面で、感覚的に「NCXXファーム」の情報にアクセスができます。

今回なぜ提携に至ったのでしょうか? また、農家さんのなかでLINE WORKSを活用されている方もいらっしゃるとのことですが、農家さんに支持されている理由とは? 

ワークスモバイルジャパン株式会社の廣瀬さんと、株式会社ネクスグループの山川さんのインタビューをお届けします。

 

「中小規模の農家さんを後押ししたい」方向性が似ているからこそ、生まれた連携

 

ーLINE WORKSで、今広がっている使い方はありますか?

廣瀬:地域などのコミュ二ティでの利用が広がっています。例えば、島根県の経営者団体、地域のマラソングループや、お祭りの実行委員会で使っている人。

企業を超えたコミュニティで活動するときのツールとして、便利だという認識は得られてきています。LINE WORKSはチャットの参加メンバーが明確なので、コミュニティの所属メンバーを明確にしたい、というニーズにマッチしているのでしょう。

ー「できる.agri」で取材するなかで、LINE WORKSを活用されている農家さんに多く出会ってきました。農家さんに支持される理由としては、どんな要因が考えられるでしょうか?

廣瀬:もともとLINEを使っていらっしゃる方が使いやすいためだと考えられます。LINEのユーザビリティは保ちつつ、情報管理などのセキュリティも大切にしている点が、農家の方のニーズにハマったんでしょう。

1ヶ所で働くのではない方、ほとんど全てに活用いただけるサービスですので、当然農家さんも当てはまったんだと思います。特に農家さんはパソコンを持ち歩けないので、ポケットに入れて作業ができるスマートフォンでの活用がしやすいLINE WORKSが便利だと思っていただけているのではないでしょうか。

山川:将来的には、地域の農家さんで作ったコミュニティでLINE WORKSを活用できるのでは、と思っています。新規就農者が、先輩農家にLINE WORKSを通じて、質問ができるプラットフォームなど。もしそういうコミュニティがあれば、作物に病気が出たときに、LINE WORKSで多くの先輩農家に相談ができますよね。LINE WORKSで相談すればスピーディに対応できるかもしれません。

ーなぜ、今回の提携に至ったのでしょうか?

廣瀬:ネクスグループさんと、目指すポジショニングが似ていたところが大きいです。
もともとLINE WORKSは、大企業よりも、中小企業で使っていただけることを想定したサービスなんです。
ネクスグループさんも、中小企業がチャレンジしやすい価格帯や使い勝手でサービスを展開されていました。新規就農する人のことをよく考えているんです。
目指す方向性や取り組み方が似ているため、相乗効果が生まれそうだと考えて、一緒に取り組ませていただくことになりました。

山川:問題意識も似ていたので、打ち合わせではどんどんアイディアが生まれていきました。

廣瀬:目指す方向性が似ているからこそ、生まれたアイディアもたくさんありました。

 

農家さんの働き方を変えられる可能性も

ー連携して生まれる、具体的な機能について教えてください。

山川:ネクスファームとLINE WORKSを連携させて、農家さんどうしでハウスのデータ共有ができるようにしていきたいと考えています。地域によってデータは異なるので、市内で同じ作物を作っている農家さんの間でのデータ共有を想定しています。

これまでは、地域につながりのない新規就農者は農業の知識を学ぶことが難しかったと思います。でも、LINE WORKSで先輩農家のグループを作っておけば、先輩農家・後輩農家のコミュニケーションもスムーズになると思うんです。

 

イメージ図:

ー農家さんにとって、作物のデータは企業秘密ともいえる部分だと思います。抵抗感はないでしょうか。

山川:その辺りは、市や県と連携して仕組みを考えていきたいです。

例えば、新しい作物を栽培するときに、こうした仕組みがあれば、品質を統一できるかもしれません。データを提供する側の先輩農家さんに補助金を出すというのも一手だと思います。農家さんどうしでデータを売買する仕組みもおもしろいかもしれません。ユーザーさんたちと一緒にバリューを考えていきたいです。

ーアラート機能についても教えてください。

山川:ハウスに異常があれば、LINE WORKSに通知が来るという機能です。センサーが壊れて、真夏に気温がマイナスになるなどの異常が起きたら、すぐに通知ができるようになっています。メールよりも、LINE WORKSに通知が来た方が確認しやすいのではないでしょうか。

LINE WORKSで一元管理すれば、情報をそのまま先輩に共有して相談することもできるかもしれません。スタッフさんにも指示を出しやすくなると考えています。圃場にいなくても異常を把握できるので、外出もしやすくなると思います。

 ー農業の在り方を変える可能性もあると。

 山川:二拠点生活で、東京と地方を往復しながら農業に取り組む人も出てくるかもしれません。

 廣瀬:社会全体で「働き方改革」は大きなテーマになっていますよ。農業の分野は、他の仕事よりも労力と時間がかかると思います。


ネクスさんのシステムのよいところは、人がやらなくてもよい仕事を自動化できる部分です。なので、本当に必要なときだけ動けばいい。必要ではないときはシステムに任せる。何かあったときはアラートで、すぐに対応できる体制を整えれば、効率化が図れます。農家さん労働的な負担も減らせる可能性もあると思います。一次産業がキツい、朝早い夜遅いというイメージも少しずつ払拭して、新しく農業に従事する人が増えたらいいです。

ー今後広げていくための施策を教えてください。

 廣瀬:農家さんや農協の方、自治体職員のなかでも、新しい取り組みに関心を持っている人たちに、まずは使っていただけるようにしていきたいです。体験プログラムなども柔軟に対応できる方向で検討頂いておりますので、ぜひ体感していただきたいと思います。現地に見学に来ていただくだけでもかなり具体的なイメージが変わると思います。

イメージが掴めない方にはサンプルをまず使っていただいてでも、一度その効果を体感いただくのが何よりも近道だと思います。百聞は一見に如かず。

体験プログラムなども柔軟に対応できる方向で検討頂いておりますので、ぜひ体感していただきたいと思います。現地に見学に来ていただくだけでもかなり具体的なイメージが変わると思います。
現在、県のU/Iターン促進施策にも連携していけないか投げかけておりますので地域としての取り組みとしても発展させていけたらと考えています。

ー株式会社ネクスグループの農業ICT事業とは

自社圃場において多段式ポット栽培を用いてICTシステムによりデジタル管理された土壌マネジメントを行い、検証を進めるとともに収穫品の販路開拓、お土産品等の出口モデルの実現等、六次産業化に向けた取り組みを進めております。

https://ncxxgroup.co.jp/

今後、「できる.agri」×NCXXファームで新規就農プログラムも展開予定! 今後「できる.agri」にて発表予定です。お楽しみに!

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